多様な活躍の場

認知症ケアチーム

認知症ケアチームは、医師、薬剤師、精神保健福祉士、認知症看護の認定看護師で構成されます。入院に伴う環境の変化で高齢の患者さんが感じる不安や混乱を最小にするために、関わる全ての職員と連携して支援します。看護師は、安心できる環境づくりや意思疎通を図り、患者さんの入院生活を支える支援に取り組みます。チームの一員として、認知症やせん妄症状がある方、高齢の方が安心して治療が受けられるように活動しています。

術後疼痛管理チーム

術後疼痛管理チームは、麻酔科医と薬剤師、看護師で構成されています。チーム回診を行い、手術後に生じる痛みや吐き気、手術体位による皮膚の影響を確認して対応します。

看護師は、手術を受ける前から患者さんへ自己調節鎮痛法を指導し、手術後に悪心や嘔吐が生じるリスクを評価しています。病棟看護師や主治医とも連携して、患者さんが安心して手術に臨めるように活動しています。

認定看護師

救急看護認定看護師

突然の事故や怪我、急病にかかった患者さんへ、プレホスピタル(病院搬送前の災害・事故現場など)から救急外来、集中治療の必要な急性期からリハビリ期まで、身体的な看護ケアの提供と傷病の発生に伴う心理的な危機的状況を判断し、患者さんとご家族を支える看護を医療チームで検討し実践します。また、院内や地域における急変時対応や災害医療、看護などの教育にも携わっています。

集中ケア認定看護師

急性期の重症な患者さんに必要とされる、質の高い看護ケアを提供しています。また、スタッフひとりひとりが、人工呼吸器の管理や早期回復支援などに対する実践能力を高められるような教育にも取り組んでいます。現在は、看護管理者として、認定看護師としての知識や視点を活かしながら、急性期医療の質改善に貢献できるように取り組んでいます。

緩和ケア認定看護師

都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、私たちは、院内外におけるより良い緩和ケアの提供に取り組んでいます。がんと診断された患者さんとご家族に対して、疼痛や呼吸困難、全身倦怠感、浮腫などの苦痛症状の緩和、喪失や悲嘆のケアを行う役割をもっています。また、緩和ケア支援チームの一員として、ケアの依頼やスタッフからの看護相談にも応じています。

がん化学療法看護認定看護師

がん薬物療法の標準治療や新規薬剤による最新治療を、安全で確実に投与できるように管理しています。また、がん薬物療法を受けながら、患者さんが、これまで通りの日常生活が送ることができるように副作用の対処方法や体調管理の方法を患者さんの生活に合わせて一緒に考えます。がん薬物療法による副作用症状や見た目の変化、気持ちのつらさ、経済的な問題などを解決するために多職種と連携しています。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

脳卒中発症後から重篤化回避のための継続した観察を行い、発症早期から多職種と協働したリハビリテーション看護を実践しています。変化した身体の機能や回復に合わせて、心理的にも、社会的にも、患者さんが自分らしい生活として取り戻していく過程を支援します。突然の発症で不安を抱える患者さんやご家族に、今後の経過や再発予防のための健康管理について情報提供し、一緒に考えて寄り添います。

慢性心不全看護認定看護師

心不全で心臓のポンプ機能が悪くなり、息切れや下肢のむくみが起こっている患者さんの仕事や学校生活など、それぞれのライフスタイルに応じた看護を提供します。セルフモニタリングや薬の管理、活動量の調整など、療養生活の過ごし方を一緒に考え、調整する役割を果たしています。患者さんやご家族が、心不全の悪化を予防しながら、自分らしく過ごせるように支援していきます。

皮膚・排泄ケア認定看護師

創傷・褥瘡ケア、ストーマケア、失禁ケアに関する専門的な看護を実践し、患者さんの望む療養生活を支えています。予防に重点をおいた褥瘡ケアでは、スキンケアや体圧管理の指導・実践を行います。また、退院後も安心してストーマの管理ができるように、患者さんへセルフケア指導や装具の選択など行っています。さらに、病気や手術、加齢によって発生する尿や便失禁の改善を促すケアにも取り組んでいます。

感染管理認定看護師

患者さんやご家族、訪問者、医療現場で働く全ての人々を感染から守ることを役割としています。そのため、様々な部門や多職種と協働して、感染対策上の問題点の把握と改善に努めています。また、保健所や地域の施設と連携し、地域の感染対策の推進にも取り組んでいます。患者さんにとって、安全で質の高い医療を提供できるように活動します。

糖尿病看護認定看護師

糖尿病の自己管理は、食生活や身体活動など生活に密着しているために困難となることが多いです。合併症をもつ患者さんが多く、食事療法や運動療法、薬物療法など、治療も複雑です。私たちは患者さんの困り事が解決できるように支援し、一人ひとりの生活に応じた自己管理の方法を一緒に考えています。患者さんやご家族が改善策を見出せるように支援する看護を大切にします。

新生児集中ケア認定看護師

新生児の集中治療に関する知識と技術を駆使し、経過を予測しながら看護を行っています。他職種との情報共有やカンファレンスを行い、多くの職種が協働して医療ケアを提供できるように取り組みます。また、NICUは、集中治療の場であると同時に、親子・家族のはじまりの場でもあります。児の成長を支え、「ウエルビーイング」=良好な状態(こころとからだ、家族や社会との繋がりが満たされた状態)を目指して支援しています。

手術看護認定看護師

周手術期看護における院内の看護実践力向上に努めています。手術部や外科領域の病棟に対して指導・相談役割を発揮して、手術後の回復遅延を予防し、また、手術による疼痛を緩和する看護が提供できるように働きかけています。現在は、看護管理者として、認定看護師の経験で得た知識、技術を活かしながら人材育成に携わっています。次世代のスペシャリスト育成に貢献できるように、看護職へキャリア形成を考える機会を提供しています。

認知症ケア認定看護師

『人を大切に思うこと』を基本姿勢として、認知症をもつ患者さんの立場に立ち、何に困っているのかを想像しながら、患者さんの思いを尊重し関わっています。患者さんが語る人生からケアのヒントを得るなど、認知症をもつ患者さんが体験している世界を知り、一人ひとりの背景を踏まえた安心かつ安全な療養環境を整えていきます。

専門看護師

がん看護専門看護師

がん患者さんが自分らしく生きていけるように、様々な問題の解決に向けた支援を行っています。がんや治療による苦痛、不安に対するケアを行い、がん患者さんやご家族が納得して治療や療養に向き合えるよう多職種からの支援を調整しています。また、看護師や看護学生への教育やスタッフからの相談への対応(ケア方法やコミュニケーションなど)、看護の質向上に向けた研究活動に取り組んでいます。

精神看護専門看護師

精神看護の専門的な知識を活かして、患者さんやご家族の心のケアを行います。精神科医や公認心理師などで構成される精神科リエゾンチームに所属し、身体疾患の治療中、精神的に不安定になった患者さんや精神疾患をもちながら身体疾患の治療を受ける患者さんを支援しています。医療スタッフが連携を図りながら、効果的に医療が提供できるよう「人と人をつなぐ」支援をします。また、看護職のメンタルヘルス支援も行います。

小児看護専門看護師

治療に臨み病気とともに生きている子どもたちが、病気や治療によって様々な制限がある中でも成長でき、笑顔でその子らしく過ごせるように支援しています。子ども一人一人との関わりを大切にしながら、病院内だけでなく家族や学校など、関係各所との協力や連携に取り組んでいます。

急性・重症患者看護専門看護師

急性期の重症な患者さんの医療場面では、病状の危機的状態とそれによって生じる倫理的問題があり、医療チームが目標を共有しながらケアに取り組むことが重要です。私たちは、チームの潤滑剤としての役割を担いながら、患者さんがその方らしく生きられるような支援に取り組んでいます。

NPコース修了者

NPコース修了者

患者さんの変化を捉え、評価し、医師との協議をすすめながら人工呼吸器からの離脱や不要なカテーテルを抜去できるようにします。患者さんにとってタイムリーな介入を心がけており、手術後のリハビリテーションや検査、処置をより快適に行うことができるように取り組んでいます。

特定認定看護師

クリティカルケア

急性期の重症患者さんに対して、全身管理と異常の早期発見や合併症予防、セルフケア能力の回復と家族支援などの役割をもっています。一番近くで寄り添う医療者として患者さんの“その人らしさ”を大切にし、質の高い看護を実践しています。

手術看護認定

手術が決定した日から術後の急性期にかけて、患者さんやご家族の苦痛を最小限にとどめ、早期回復を目指した看護ケアを実践しています。また、手術中は術中麻酔管理領域の特定行為を実践します。チーム医療のキーパーソンとしての役割をもち、手術中は、患者さんの一番近くで安全、安楽を考えた看護を実践します。

心不全看護認定

心不全看護認定看護師としての専門性や高い臨床推論力と病態判断力を発揮して、身体所見から病態を判断し、持続点滴中の薬剤の投与量を調整するなど、タイムリーで適切なケアを実践しています。

特定看護師

呼吸関連4区分

人工呼吸器の設定変更などの特定行為を、手順書に基づいて医師と協議しながら安全に行います。また、臨床推論を用いた病態の把握や根拠に基づいた看護を提供し、呼吸器からの離脱が困難な患者さんに多職種でアプローチしています。特定看護師のタイムリーな対応で、患者さんの入院期間が短縮し、苦痛の軽減とQOLの向上が期待できます。

救急領域

侵襲的陽圧換気の設定変更や人工呼吸器からの離脱、動脈血液ガス分析、脱水症状に対する輸液による補正など9つの特定行為を行います。急性期から慢性期にかけて、患者さんの病状は多岐に渡るため、現病歴や検査データなど様々な情報からアセスメントした結果を医師と協議します。手順書に基づいた安全な侵襲的陽圧換気の設定変更で、人工呼吸器の早期離脱につなげています。

術中麻酔領域

手順書に基づいて医師と協議しながら動脈血液ガス分析や橈骨動脈ラインの確保、術後疼痛管理など8つの特定行為を行います。タスクシフトやタスクシェアの推進に貢献し、患者さんにとって時宜にかなう安全な看護実践を提供しています。